タンタン修理

クイーカ他

依頼を受けて、タンタンの胴を直してます。

われた部分を切除して木をはめ直すのが、楽器修理的にはベストなのかなぁ?
いやいや、圧着できるわけでなし、このままできるだけ隙間なく塞いだ方が、振動を伝えるって意味では良いのか…?

迷った挙句、

  • 表の白い樹脂製化粧板をはぎとり、
  • ささくれ・隙間に入り込んだ木片を除去、
  • グズグズになった合板を接着剤で極力復元、
  • 欠損部は硬質樹脂で埋め
  • 表の段差は、エポキシ樹脂を充填

という方法をとりました。

表の化粧板、修理前。

持ち主が、ステッカーをGクリアで貼って穴を隠していたので、
表面がボコボコしていますが、これは、溶剤で除去。

メラミン? 白い樹脂の化粧板は、亀裂の入った範囲をすべて剥ぎ取りました。
下の茶色の層はなんですかね?
表の段差、剥いだ破片を測ると厚み約0.7mm。
ポリパテじゃ耐久性が心配だしなぁ…と、エポキシ樹脂を充填しました。

表側、補修後。

最後に調色したラッカー系塗料で塗装しています。

変形のせいもあって、面に多少のゆらぎが残ってしまってますね。

内側、修理前。
かなりの衝撃だったんでしょうねぇ。
変形により、合板の接着面もかなり剥がれており、
合板がグズグズになってました。

ササクレや隙間に入り込んだ木片を除去する際にも、
薄板がモロモロと崩れてしまう状態でした。

接着剤で貼り戻すようにして極力復元。
欠損部分は硬質樹脂で埋めました。

内側、完了。
乳白色のところは、硬質樹脂で埋めたところ。
接着剤を含浸させた範囲は、四角く色が濃くな ってます。
補強に薄板を貼ることも考えてましたが、充分な強度が出ているので、
これでフィニッシュにします。

穴を塞いで、ペーパー掛けまで終わったところ。

最後に調色したラッカー系塗料で塗装し、補修完了。

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